インターネットから取得出来るデータを使い、小田原市におけるレンタルバイクガレージの需要数を予測してみます。予測条件は「大型バイクを新規購入し賃貸住まいの人数」です。
車種を大型バイクに限定した理由は、レンタルガレージは賃料が高く販売価格の高い大型バイクでないと割に合わないこと。
次に新規に限定した理由は、買換えの場合、既に駐輪場が用意されていること。
最後に賃貸住まいとした理由は、庭付きの家なら駐輪スペースが容易に確保出来るからです。
インターネットから関連するデータを検索してみましたが、残念ながら大型バイクで集計されたデータは見つける事は出来ませんでした。大型バイクのデータは251cc以上として1つに纏められています。検索された有効なデータは、神奈川県の251cc以上の年別保有数、新車販売数、中古販売数、廃棄数と、大型バイクと中型バイクの免許取得数、神奈川県人口と小田原市の人口、30代の持家率。この9つのデータを使って予測してみます。
以下の方法で求めます。
1.神奈川県と小田原市の人口比率から、小田原の数を求める(※1)
2.1の値を大型と中型の免許取得比をつかって2つに分ける(※2)
3.2の数値に賃貸率(住まいに庭が無い人)を掛ける
| 神奈川県 | 小田原市※1 | 大型バイク※2 | 中型バイク※2 | |
| 二輪車保有数 | 133,805 | 2,734 | 814 | 1919 |
| 新車販売数 | 7,611 | 156 | 46 | 109 |
| 中古販売数 | 12,146 | 248 | 74 | 174 |
| 廃棄数 | 3,667 | 75 | 22 | 53 |
神奈川県の大型二輪免許卒業生 5,972人。 神奈川県の普通二輪免許卒業生 14,075人。
※太字は計算値
1と2について計算した結果が上の表になります。まずは、この数値の信憑性を検証します。1の計算は県データに県と市の人口比を積算し算出しています。これと同じ方法を使用し全国と神奈川県で計算した値と比較したところ、誤差は3%以下となりこの数値はある程度信頼出来ると思われます。また、都道府県の傾向としては人口密度の高い地域ほど、保有率は低くなっている為、市町村単位でも同じことが起こっていると思われます。このことを加味すると人口密度の低い小田原の値はもう少し高いと思われます。
2の計算は案分方式です。自動二輪免許の権限は大型二輪に包含されています。一般的にこの様な従属関係を持つデータは案分比として利用できません。色々考えましたが、他に良い方法が見つからなかった為今回は、これらの値を予測に利用します。
ここで注目するデータは、大型バイクの新車販売数と廃棄数です。
毎年新車が46台売れて22台が廃車になっています。今は、中古車の売れ行きも良くダブついている様子もありません。つまり「新車販売台数 ー 廃車数 = 純増数」となります。純増数は24台です。今回は、この24台を、バイクを所有していない人が新たなバイクを買った新規購入人数とします。
3で利用する数値は、大型二輪免許取得者が多い30代の賃貸住まい率です。この値は近年全国平均で60%となっています。全国人口ランキング(町、村を除く)で142/792位の小田原を中位と仮定しこの数値をそのまま利用します。この値を積算すると最終的に、14人となります。
計算上では、14人となりました。小田原市で、レンタルバイクガレージが欲しいと思う人は14人です。少ない数値です。この人数をあてにしたビジネスはNGです。
早くもガレージ造りに暗雲が立ち込めています。


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